続きの続き

 

ウォンカの誘いを断ったチャーリーは、再び貧しい生活に戻った。しかし、ちょっとだけ、いいこともあった。

父親が新しい仕事についたので、暮らしは少し楽になったのだ。

 

チャーリーは稼ぐ為に、靴磨きの仕事をしていた。ところが、今日の客は・・・ウォンカだった。

 

「どうしてここに来たの?」

「どうも調子が悪いんだ、私は!チャーリー。君が来ないとわかってからな。私はどうしたら、いいんだ? 君は、こんなとき、どうするんだ?」

「ぼくを助けてくれるのは、家族です」

「また家族か!」

「ウォンカさん、あなたは僕の家族に文句でもあるんですか?」

「違う違う、君の家族だからってことじゃないんだ。ただ、家族なんて、ああしろ、こうしろ、あれするなこれするな、ってうるさいばかりじゃないか」

「それは、あなたを守るためでしょう?」

「家族・・・家族・・そんなもの・・・

 

そんなもの、・・・・・・いるんだけどずっと会ってないのだ・・・

「そんなこと、聞けるものか・・・いや、待て、君と一緒だったら・・・」

「ウォンカさん、僕と一緒だったら、会いに行ける?」

「それは、いいアイデアだ!」

 

というわけで、ウィリー・ウォンカは、長年会っていない、父親のアパートへ行くことにした。

「・・・住所を間違ったんじゃないかな」と、ウォンカは心配しているが、心配どおり、間違いなくそこは父親のいるアパートだった。

「緊急なんです、お願いします」とチャーリー。

少年のとき家を出て以来、ウォンカは父親に会っていない。

 

イスに寝かされて、口をあけるウィリー・ウォンカ。

チャーリーが壁に目をやると、そこにはウィリー・ウォンカの少年の時の写真。額も、スクラップブックも、ウォンカ工場の記事にあふれていた。

 

「ふーむ・・・どこが悪いのかな・・・この並びの歯は久しぶりに見た・・・・・ウィリー?」

「・・・ハイ・・・ダディ・・・」

ウィリー・ウォンカは、パパの胸に顔を埋めた。

 

 

 

そんなわけで、チャーリーには工場がプレゼントされた。

そして、ウィリー・ウォンカには、もっといいもの、家族ができた。

チャーリー一家は、家ごと、工場の中に引越ししてきたのだったから。

 

じえんど

 

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