ウォンカ像再び

 

バートン版のウォンカ工場長の謎のひとつは、母親の不在です。

 

それは、他の子供の家族たちとの対比を濃くするためなのか、ということを第一に思わされます。ウォンカの人生は、原作にも、メル版の前作の映画にも描かれていません。バートン版では、あまりにもわかりやすく、簡潔に成功していると思います。あの父親がいたからこそ、このウォンカ工場長あり。父親が子供のしたいことの邪魔をし、喧嘩別れしたようであっても、実は、

「あの父親にして、あの子あり」なのです。

 

自分の仕事に、生涯をささげる、とことんまで夢中になる。

 

歯医者だから、自分の子供の歯を虫歯にさせるなんて、(見得という意味ではなくて)プロとして、自分に許せることではないのです。

だから息子のウイリー・ウォンカには、甘いものを一切与えなかったのです。同時にそれが、自分の仕事しか知らない男の、父親としての愛情のあり方・・・あ、なんか日本っぽくなってきた。理想ではないよな〜

理想ではないけれど、このオハナシを成り立たせるには大事なシチュエーションです。お母さんは死に別れたか、離婚しているのかわからないが、子供のウイリーに優しく語りかける「母親」は、とにかく不在です。そんな母親がいたら(そうですね、スリーピー・ホロウに出てくるようなおかあさん)ウイリーは、かんたんに家を離れることなどなかったでしょう。

だから、実際に、不在だったのだと思います。

こういうのをファザコンというのかどうかは、不明ですが・・・でも、父親を乗り越えたかったんだから、違うのかな。いや、そこまで考えてはいなかったのでしょうが、結果としてそういうことになっていますね? 

 

さて、2005年7月にはじめてジョニー・デップを知ってから、彼の他の映画も見たし、またメル版の邦題「夢のチョコレート工場」のDVDを見る機会も得ました。メル版の映画にも少し触れておきたいと思います。原作の本の方は、英語でも挑戦してみましたが、あきまへん。半分しかわかんない。っていうか、あらすじ知っているからわかるような気がするだけ、という重症です。日本語版は手に入れていないので、仏語版で読みましたが、これまた、ウンパルンパの詞に関しては、かなり不明です。なにせ文学的ボキャブラリー不足のため・・・

 

 

原作

メル版映画

バートン版

主役

チャーリー

チャーリー

ウォンカ工場長

ラスト

老人たちは、でていきたがらないので、無理やり工場へ連れて行く

エレヴェーターで終わるので、その後は不明

ひと悶着あった上で、

ハッピーエンド

音楽

さすがに音楽はないが、ちゃーんと韻を踏んだ詩

よく出てくる曲はジャズスタンダードにもなっています。ミュージカル映画が多かった時代を感じさせる美しい音楽が豊富。ウンパルンパの曲も、メロディは同じでも、少しずつ変化させています。

ダニエル・エルフマン担当、もうまったく21世紀の音楽。でも、広大なオーケストラ曲も迫力あり。

チャーリーの

描き方

普通の子。おなかが空いたら文句を言う。

なぜか父親不在なので、さらにけなげでは、ありますが、ほぼ原作どおり。いたずらもします。

 

家族思いの、えらくいい子。優等生すぎかもしれないけど〜それで全体のバランス、ウォンカとの対比のバランスが取れている。

ウォンカ工場長

変そうな、シェータイプのおじさん。でも明るそう。

変。明るいというより、確実に変なひと。ひとつ間違えたら、いやな人?

変は変だけど、ジツに人間味がありますなあ。実にものごと、冷たい目で良く見てます。

他の子供たち

いやなやつら

いやなやつら

やっぱりいやなやつら

他の子供たちの親

同上

まあまあ原作どおり。

親バカぶりが極端に強調されていて、わかりやすい。親の見得というものも、さらにわかる。

ウンパルンパ

挿絵はむしろかわいい。

印象的系。怖いとか、悪夢に出そうなタイプ。あんな人いないって・・・

たくさんいる。同じ顔だ、と気付くのに時間がかかりました。21世紀です。

工場

う〜ん、あまりイメージなかった。

でも挿絵はいきいきしてかわいい。

時代に忠実そう。これが実在するというネッスルの工場をもとにしたのかも。もしかして、不思議な国のアリスも意識してるかな?

でかい。でかい。郊外の、いかにも工業の町でありそう。この工場があったからこそ、町が成り立っていて失業者がいなかった、というタイプ。なんだか現実味ありすぎ。トヨタの工場があるので成り立っているフランスの町を思い浮かべてしまいます。(豊田もそうですが)

 

 

こんなあたりでやめておきましょうか。ヒマデスネ、全く。

 

 

ところで音楽担当はダニエル・エルフマン♪ その作品

 

シザーマン(エルフマン・バートン・ジョニー・デップのトリオ)

チャーリーとチョコレート工場(同じく)

hurk

マース・アタック

サルの惑星(バートン監督!

ナイトメア・ビフォー・クリスマス

バットマン(!

編曲 ミュージカル映画:シカゴ

 

慣れてくると、すぐエルフマンだとわかりますよ!

それでも、チャーリーが一番好き! 映画館の大きな音で、腰が抜けました。

「映画音楽」というジャンルがあるというのが、わかるような気がします。

 

そして監督はティム・バートン♪

 

シザーマン(エルフマン・バートン・ジョニー・デップのトリオ)

チャーリーとチョコレート工場(同じく)

 

マース・アタック(エルフマンとのコンビ)

サルの惑星(同上)

ナイトメア・ビフォー・クリスマス

バットマン

ビートルジュース

ビッグフィッシュ

 

あれこれ資料は、いろんなところでみつけてくださいな〜

 

 

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