妊娠と薬
出産後に関節リウマチ発病を知らず、治療時期をのがしたあいあいより、
出産を望む関節リウマチ患者の女性へ
どの薬にも「止め時」がある。妊娠を望むなら、例えば3ヶ月、例えば6ヶ月前に服用を止める。何故かというと、みな、効くまでに同じ3ヶ月なり6ヶ月なりかかっている薬だ。薬が“たまって”効くからだ。だから、同じ期間止めれば薬が抜けるという勘定。
それにしても「妊娠・出産の恐れのある患者さんには使えません」という書き方はやめて、「飲んでいるときに妊娠してはならない」と書いてくれないかしら。
だいたい、妊娠は「恐れがある」ものではないではないか。失礼な。(ま、そういうシチュエーションもあるだろうが・・・)
ヤクぬきをして、まっさらになったあなたは、安心して堂々と子作りに励めば良い。
「1年後に予定していたのに関節リウマチになった」という方は、「心配だから薬を飲みたくない」なんて言っていると、その間に病状が進むかもせいれません。また、そういう理由で薬を出さない医者もあるようですが、どうかと思います。炎症をコントロールし足りなかったら、さらに病気が進み、そのため妊娠できる日が、逆に遠のくかもしれません。医者が強い薬を進めるのはわけあってのこと。まず薬を飲んで、病気の進行を最大限ストップさせましょう。薬を止め、休憩期間をおけば、その時点から安全な妊娠は可能です。まず、ご自分の体の面倒を見てください。がきんちょの世話はもっとたいへんですから、まずは健康体に近づくべし! 一度生んだら、その先は、もっと長いんですよ!
もちろん、効いてきた薬を止める、というのも怖いことかもしれない。でも、ステロイドなど、使っていい痛み止めもあります。勇気を出してください。
それから先の問題は、また別の問題。健康な人にだって、不妊や、母体の異常、乳児の催奇の問題はあるんですから。これは心配してても始まらないです。自然がやることなんだから。関節リウマチがあるからといって、催奇や流産の可能性が増えるわけではありません。普通の人と同じです。(もちろん妊娠したとき、飲むべきでない薬をとっていたら可能性があります・・・区別してくださいね)また、不妊の傾向のあるカップルもあるでしょう。それは、どんなカップルにもありうることです。ここでは紹介できませんが、サイトはいろいろあると思いますので、お訪ねになっては如何でしょう。
さて、妊娠中は4分の3の女性が「症状が楽になる」そうです。なかには「楽になったので妊娠がわかった」という人もあるとか。薬、ダイジョブなものを使ってらしたんでしょうね。そして、出産後、するする病状が戻ってくるそうです。授乳の為のホルモンがリウマチを刺激するとかしないとか。でも、授乳は赤子の免疫にも大事、母の気持ちにも大事。子宮が元の大きさに縮まるのにも大事。(私は授乳すると、きゅうううっといたみを感じました)
ううむ、これは、自分の体と相談です。子は人口ミルクでも元気に育ちます。子供の免疫は、生まれた直後のみならず、数年かけてついていくものです。無理をしないのが一番です。おっぱい以外にも、母の仕事はたくさんあります。健康体のお母さんだって疲れて大変なんです。
痛くて動けないおっぱいマシンになるのと、断乳をさっさとしていろんなことをするおかあちゃんになるか。これは、みなさん、体の声を聞いて、自分で答えを出してくださいね。
あれこれできない、と悩むより、できることに投球するのがいいのではないかしら。
でも、出産後すぐに治療を再開できるのはラッキーですよ!!!!!
ほーんと、あいあいは痛い目に合いました。
薬の止め時
では、参考までに(フランスでの現在のやり方です)
こちらでの名前と、日本での名前が合っているのか、確認、断言できないので、あまり参考にならないかもしれません。ご了承ください。
医療関係の方でフランスの薬の勉強をされた方がありましたら、ぜひともご一報下さい。
ステロイドは妊娠中使えますから、ご安心を。
(医者によって違うが、一応フランスではOK。もちろん極端な量ではない。日本でもOKという医者と、そうではない人もいるらしい。うーむ)
抗リウマチ剤
妊娠に挑む3ヶ月前にとめる薬:
メトトレクサート、chlorambucil/ciclosporine/D-penicillamine/cyclophosphamide/
leflumide(アラバ・・・プラス、洗い流しの薬あり)
6ヶ月前に止める薬
etanercept infliximab (エンブレル、レミケード)、Humira
妊娠が判明した時点で止める薬:
antimalariques,
sel d’or,(おそらく金製剤、orは金の意味)
sulfasalzine (おそらくアザルファイジン、サラゾピリン)
(サラゾピリンに関しては、前に止めるという先生もあったような・・・)
非ステロイド系炎症止め
6ヶ月目から止める。特殊なモノは医者と相談して様子をみながら使うものもある。
なんにせよ、リウマチ医と、産婦人科医と両方に相談しましょう。
もしNOが出たらいやかもしれませんが、その場合は、理由をはっきり尋ねましょう。
自分の納得いくことが一番です。
不満があり過ぎたら、知識を増やすつもりで別の医者を訪ねてみるのも、ひとつの方法です。
前向きに、前向きに。
で、あいあいは現在どうしているかというと、一人っ子に決定しました。
これを書いている時点で、39才6ヶ月です。今の使っている薬(Humira)は、妊娠を希望するなら5ヶ月あけてから、
といわれました。
すると、40歳にとってもちかづきます。うーん、39になった頃はあせったけど、他にもいろいろ理由はあるし、このおやこ三角関係がいいみたい。出産は、40過ぎても医療が助けてくれる現在だけれど、ひとりでもいるんだから、いいや。それに、産むだけではなく、その後育てなくてはなりませんからね。
もし出産したら、やっぱり出産後にひどくならないかどうかは気になります。どこへ行けばいいかはわかっているけれど。
病気を知らずに生んで痛い目にあったけれど、それもまた、ラッキーだったんだろうな、と思う。怖がらずに妊娠できたから。・・・って、まだの人に怒られるなあ・・・
だから、こわがらないで、応援してます。
追記
私も、もう40も超えました。子供が生まれてからの3年間は、特にたいへん。子供が人間に近づくまではたいへん・・・と、人の子供を見ては思ってしまいます。でも、子供はおもしろい。しかし、自分の人生もおもしろそう。
追記 2010年10月。
45歳を超えました。だいじょうぶです。おもしろいです。