100の質問と回答 |
リウマチ100の質問と回答 女性とリウマチに関して
Q.57「閉経時に、ホルモン剤(薬)をとることは何か役に立ちますか?」
Q.52「リウマチの場合、どんな避妊法が最適ですか?」
・ピルを摂取していた女性、多くの子どもを持った女性には、リウマチを持つリスクが少ない傾向がある。これより、性ホルモン、とくにエストロゲンが、リウマチにとって良い作用をする可能性があると思われる。
・抗炎症剤(ステロイド系もしくは非ステロイド系)を使用している場合、避妊リングの効果が薄れる可能性がある。(公的に発表されたわけではないが)
アドバイス
・できたら、避妊リングを避けるか、排卵期には、他の局部的な避妊法を併用すること。
・他の避妊法を用いることもできる。
Q.53「妊娠とリウマチは、影響しあいますか?」
まず質問を二つに分けましょう。
「妊娠はリウマチに影響するか?」「リウマチは妊娠に影響するか?」
「妊娠とリウマチ」
妊娠はリウマチの状態を良くする、と、明確に言い得ます。リウマチの状態が格段に良くなったので、妊娠テストをする前に妊娠がわかった、と言うケースもあるほどです。
・ただし、良好状態は、4分の3の女性の場合
・良好状態は、はじめから明らかに現れる場合もありますが、最初の3ヶ月を過ぎたころから、特にはっきりします。
・出産後は、残念ながら、この状態はすぐ終わってしまいます。
この、妊娠中の小康状態の観察は、コルチゾン(ステロイド)発見のもとになりました。1935年、リウマチの症状が出なくなった妊娠中の女性の血液と、リウマチ患者の血液の比較をした研究者がいたのです。今日では、コルチゾンが妊娠中につくられることによってのみ改良される、と言うわけではなく、胎児?或いは母体から出される何かの物質、また免疫システムの変化によるものと考えられています。
「リウマチと妊娠」
リウマチは、妊娠には影響しません。言い換えれば、
・一般の人口よりも不妊の確立が高いわけではありません
・一般の人よりも、自然流産、早産、胎児の異常率が高いわけではありません
ただし、リウマチの薬は、妊娠に影響があります。
アドバイス
・妊娠を希望する場合、まずリウマチ医に相談しょう。特に、薬を止める必要があるのかどうか、止める場合は、妊娠を希望する以前から止めるのか、妊娠がわかった時点で止めるのかを尋ねます。(参照:薬と妊娠について)
・もし妊娠していることがわかったら、すぐリウマチ医に知らせましょう。
・出産後について、すぐリウマチ医に相談しましょう。リウマチがおさまっていても、出産後すぐに治療を再開する場合もあります。リウマチの症状が出てきたら、治療を再開、と言うケースも考えられます。
Q.54「エストロゲンでリウマチの治療はできないんですか」
これはすでに研究されています。可能性はあります。問題点は、妊娠中と同じ量を使わねばならないと言うこと。大量のエストロゲンを長期にわたって与えるのは、リスクを伴います。妊娠中には毒ではないが、妊娠以外の状況では「毒になる」と言う、矛盾があるのです。量や、質、体内への残り方と言う点では、自然につくられるエストロゲンと、人工的に作る薬品では、差があります。
Q.55「妊娠を希望するときは?」
女性でも男性でも、子どもを希望されるときは、まずリウマチ医に話しましょう。、どの薬をやめるか(いつ、どれくらいの期間)、避妊を止めてから続けてもよい薬のか、説明を受けます。
Q.55「出産後、授乳出来ますか?」
母乳は、プロラクチンと呼ばれるホルモンによって作られます。プロラクチンは、炎症をすすめる傾向があることがわかっています。つまり、リウマチには良くない、ということです。しかし、乳児には肉体的に、母親には精神的に大事な授乳は、どう出るかわからないリウマチのリスクよりも、大切なものともいえましょう。問題点は、他の薬同様、薬が母乳に入っていくかどうかということ。抗リウマチ剤はこのケースです。Ciclosporineなどの場合は授乳は不可能です。
アドバイス
産婦人科医と、リウマチ医に、良く相談しましょう。
Q.57「閉経時に、ホルモン剤(薬)をとることは何か役に立ちますか?」
ホルモンによる治療は、いくつもの長所があります。特にosuteoporose(骨粗相症)のリスクを減らします。リウマチにはすでに、このリスクがあります。エストロゲンは、リウマチには良いことばかりですから、産婦人科で、このようなホルモン治療をするかどうか、尋ねてみるのは有意義なことでしょう。
アドバイス
他の病気(乳がん、phlebite,embole他)がなければ、こういったホルモン剤を取ることをお勧めします。もちろん、医師による定期的なコントロールを必要とします。
妊娠と薬について “全ての薬を止めなければいけない・・・わけではない”
痛み止め
Corticoide(ステロイド)・・・・・・妊娠中の利用は可能
AINS=ステロイドの入っていない抗炎症剤 (非ステロイド系)・・・・・・例外を除いて、6ヶ月目からはやめること
いずれにしろ、必ず医者に尋ねること(私より但し書き・・・・・・医師によっても意見が違うことが多いと思われます。)
抗リウマチ剤
妊娠を希望する3ヶ月前に止める薬
メトトレクサート / chlorambucil / D-penicillamine / Cyclophospamide
Leflunomide (アラバ) (wash-out、洗い流しを必要とする)
妊娠を希望する6ヶ月前に止める薬
etanercept /
infliximab (エンブレル及びレミケード)
妊娠がわかった時点で止める薬
antimalarique (抗マラリア剤、プラケニル?) / sel d’or (金療法?)/ サラゾピリン
悪化を防ぐ為、出産後の早い時期の治療再開が有効な患者もある。他のケースは医師と話し合うこと
私の場合の、産後のリウマチの出方をおまけに書いておきます。もちろん産後数ヵ月後に関節リウマチとの診断が下ったので、妊娠前に病気だった、というたしかな証拠はありません。でも、その後に得た知識と、当時の手の痛みや疲れに苦しんでいたことを考えると、どう考えても、妊娠前に発症していた、としか思えません。
さて、出産後、症状は突然「ぶり返した」わけではありません。産後の疲れだろう、出産の影響だろう、と思っているうちに、じわじわひどくなりました。
2ヶ月たった時点では、相当耐え難い痛みとなり、寝たきりとはいわないまでも、普通の日常生活が出来ない状態でした。
関節リウマチは、出産後にひどくなる、と聞きます。しかし、生んですぐに悪くなるのかどうか、自分の経験では、一刻を争うようなものではないのではないか、という気がします。個人差がもちろんあるでしょう。でも、関節リウマチがわかっているのなら、出産後の治療態勢が準備できるので、それはそれで幸いだと思うのです。
「出産後ひどくなる」かどうかは、どんな子が生まれるかわからないのと同じくらい、わからないことじゃないのかな?
治療がすぐ再開できるのであれば、体力的に心配、子どもの面倒を見られるのかどうか、という心配も減ります。
ぜひ、不必要に不安にならないで・・・
040305